バーンハナの軌跡⑩

【返済生活】 

命を救っていただいたと言っても過言ではない。
 
保証人になっていただいたK社長を裏切る事だけは絶対に許されない。 

そんな思いで借金の返済のためダブルワーク、時にはトリプルワークを始めた。
 
裏切った4人は未だに行方がわからないが、一人だけ一緒に建て直しを誓ってくれたT君と新たな会社を立ち

上げるスタートがはじまった。 
毎日、朝から晩まで、時には徹夜で働いた。 

しかしいくら働いても借金の返済どころか、毎月消費者金融に借りにいく始末。。 

そんな生活が2ヶ月近く続いた時に、T君が申し訳なさそうに言った。 

「鵜川さん。このままでは毎月借金が増えていきます」 

そうやなぁ~ 

「このマンション引っ越しませんか」 

確かに家賃は30万は越えていた。 

「それと、昼飯の寿司と晩飯の料亭も辞めた方が良いと思います。後、夜に行くクラブも。。。」 

それを言われてはじめて気がついた。 

人間いくらどん底に落ちても一気に生活を変えることは難しい。 

私の場合は完全に麻痺していた。 


style=”color: rgb(51, 51, 51); font-family: "MS Pゴシック", "ヒラギノ角ゴ ProN W3", Verdana, sans-serif;”>死ぬほど仕事をしてるのに、時間が出来ると見栄で大金を使って飲みに行き、良いものを食べ、

権力を誇示していたのだ。 

このままではいけない。 

その夜、T君とファミレスでミーティングをした。 

次の日の朝、寮と食事が付いている会社に就職するために 

職業安定所に出かけた。

~続きます~