バーンハナの軌跡⑨

【最後の賭け】 

全て知り合いに借り入れを断られ、お先真っ暗な状態の中、返済期限が明日へと迫ってきた。 

返す宛もなく真っ暗な部屋で全てを諦め掛けたとき、

嫌なことを言われた得意先の社長の顔が浮かんだ。 

「お前はいつまでこんな生活を続ける気だ」 

「金だけが人生ではない」 

「もっと人を大切にしろ」 

などなど。。。 

色々と言われた事を思い出していた。 

最後の別れになるかもしれない。 

あの社長の言ってくれたことをもっと実行してたら今頃。。。。 

そんな事を考えていたらいつの間にか社長に電話をかけていた。 

【叱咤激励の意味】 

「お前はバカか!」 

何時もの口調で文句を言われた。 
「だからどうしてこうなったんだ!!」 

受話器ごしに怒鳴られたが、もう何も耳に入ってこなかった。 

その時、 

「今から直ぐに来い!!」と言われた。 

【思いがけない出来事】 

社長の会社に着くと社長室に通された。 

そして第一声に 

「俺が保証人になるから心配するな。直ぐに銀行から行員がくる。そこから借りたら良い。」 

思ってもいない言葉に驚いた。 

本当にこの人が助けてくれるのか。。。。 

暫くして行員がやって来た。 

呆気なく手続きが済み、私は社長のお陰で借金全額返済することが出来た。 

人は思いがけないことがあると言葉が出てこない。 

まさに私はこの時その状態だった。 

社長有り難うございました。 

必ず返します。 

絶対に迷惑をかけないようにします。

~続きます~