続バーンハナの軌跡25

【ご一行到着】
開校のオープン準備は昼過ぎに一段落した。
皆が到着するまで後4時間ほどあるなぁ。
そんな事を思っていると睡魔が。。。。
そうだ昨日から一睡もしてない。
ウトウトしているといつの間にか教室のマットで寝てしまった。
思えば半年間、この日のためにやり続けた。
資格もない。誇りも持てない皆に、何とか遣り甲斐を見いだす手伝いが出来たら嬉しい。
この仕事の良さを、働き甲斐をもってもらって、皆で楽しめたらどんなに楽しいか~
そんな事を思っていると、暫くして皆が到着した。
「ここかぁ」「ええやん」「暑いわぁ」
皆口々に感想を言い出したが、先までまともに開校出来るかどうかのピンチを知るよしもないのだろう。
改めて無事開校が間に合って良かったと思えた。
【授業初日】
スケージュールは1週間。最後にテストをして合格者のみ修了書が受け取れる。
形的にはこの内容だったが、オーナーとの話し合いで、皆にはタイの良さを感じてもらうのが
主な目的だった。
その為、通訳もまともに入れず、先生2人のボディランゲージと施術の体感。
圧のかけ方、指の当てかたなどの体感での講義。
そして、急遽取り寄せたタイマッサージのテキスト。
予想通り、受講生からクレームが出た。
受講生の1人から判りにくいからビデオを撮らせ欲しいと言われた。
ビデオカメラを見たオーナーが顔をひきつらせる。
どういうことだ。。。と言わんばかりの顔で私を見てきた。
「大丈夫!ビデオは撮りません」と、Tさんがオーナーに通訳をしてくれ、
穏便にその場を乗り切った。
しかし、あの時は一瞬凍りついたなぁ。
やっと解ってもらえただけに流石に焦った。

授業はスパのスタッフも総動員で施術に回って先生のサポートをしてくれた。
初日より、2日目、3日目と、日が経つにつれ皆の表情がイキイキとなっていくのを感じていた。
皆、それぞれにタイのスタッフや先生とも打ち解けだしている。
笑顔の絶えない教室は私の想像を越える素晴らしい雰囲気だった。
それを見ていると嬉しい反面、羨ましさも。。。
なんか良いよなぁ~
俺も入りたいなぁ~
でもここは最後までどうなるか油断が出来ないと思い、入っていくのを断念。
Tさんや、オーナーと1日の終わりに毎日のミーティングに力を費やすことにした。
【最終日】
日に日に笑顔があふれる教室は、今までの苦労を一気に吹き飛ばしてくれた。
皆ありがとう。
オーナー、スタッフ、先生、Tさん。そして受講生の皆。
毎日が感謝の時間になっていくのを感じていた。
そして名残惜しくも最終日がやって来た。
その日はいつもと少し違い、皆、緊張した面持ちだった。
それもそのはず。
最終日は試験の日だった。
オーナーも折角真面目に授業を受けてくれた皆に、誠意を持って答えたいと言い出したのだ。
その誠意は本気のタイマッサージを覚えてもらって日本で役立たせること。だった。
あれ程、タイの伝統を商売で使うのを嫌がっていただけに驚いたが、この1週間で、
オーナーの何かが変化したのだろう。
そして意外にも、公認の認定書も出すとも言い出した。
打ち合わせでは形だけの修了書だったのに。
皆の熱意が伝わったのだなぁ。
素晴らしいわぁ。
なんだか皆が誇らしい。
【最終試験】
試験が始まった。
2人1組ペアになり、今まで習った技術の実技試験。
2時間の実技。
真剣な表情で試験に挑む。
この日の為に試験前日の夜に皆で練習したらしい。
皆、合格せいよ。
~続く~