続バーンハナの軌跡③

『バーンハナ長岡天神店』

【説得】

Nさんが辞めると言い出してから3日経った。
ここを運営する会社のH所長からシフトの事や休みの返上のことなど相談されるようになった。
Hさんは大阪、京都エリアを一人で管理しているらしく月に1回会えれば良い方だったが、
この1週間ほぼ毎日面談をしていた。
どうやら人材不足の緊急事態の様だ。
Hさんは髪を乱し無精髭も生えっぱなで、思い通りにいかないと怒鳴り出したりした。
周りから見たらまともな状態ではなかっただろう。
どうやら追い詰められるとパニックになるタイプの人だと思った。
私は見るに見かねて、Nさんを説得する役割を受けてしまった。
翌日、休憩中にNさんに辞めるのを先延ばしにしてくれないかと話を切り出した。
するとNさんは
「鵜川君がここの会社の営業管理者になってくれたら続けても良いかなぁ」と
言い出した。
思ってもいない言葉に驚いた。
しかしNさんの真剣な眼差しにすぐに真面目な話だと感じた。
少し嬉しかったが、この仕事に慣れてきたのもあったし、そもそも運営会社が募集してるかわからない。
また、指名をくれるお客さんや、東北から来てくれるお客さんも居たのですぐに答える事が出来なかった。
【決定】
あの日以来、Nさんの言葉が私の脳裏から離れなくなった。
彼は会うたびに自分の思いを話すことが増えていった。
この仕事の楽しさ、お客さんに効く反射区やツボなど。。。
特に話の大半は自分の夢だった。
足裏マッサージを沢山の人に広めたい、来てくれるお客さんには健康になって欲しい、
そして、満足いく研修システムを作って、この仕事をする人が安心して出来る環境を作りたい!
その言葉に私も共感していった。
安心して満足いく研修はこの仕事を志す中で最も大切なものの一つである。
しかし、今の運営会社にはその事は期待できない。
期待できないなら会社に入って内部から変えるしかない!
私の中でその思いが日に日に増していくのを感じた。
その後、H所長にNさん残留の条件を話した。。
~続く~