安眠療法の出会い⑥

ホテルに戻り
先生に言われたことを思い出しながら
辞めていった社員のことを思い出していた。
あの頃、業績が上がらずあたりちらしたり
叱咤激励をしたつもりでも全ては
「会社が無くなるかもしれない」
と言った恐怖心からただ逃れたいため
社員を呼んでは怒鳴り付けていただろう。

そんなことを考えていたら
いつの間にか申し訳ない気持ちで一杯になった。
もっと思いやりの気持ちで話せば良かった、
ちゃんと彼らの頑張りに感謝したら良かった。
本当にごめんな。
粗ばかり探して、
それを業績が伸びないせいにしていた。

気づけば朝になっていた。
-6-