安眠療法の出会い⑦

約束の時間に店に向かった。
先生はすでにマッサージの準備をして待っていてくれた。
笑顔で迎えてくれた先生は私が寝れなかったこと、
後悔で疲れきった様子を察していたように思えた。
レセプションで部屋に案内されたのは何時もの部屋でなく2階だった。
そして一人掛けのリクライニングチェアに座るように言われた。
「タイ式マッサージじゃないの」
と聞くと
案内してくれた女性は笑顔で
大丈夫と言って下に降りていった。
椅子に座りながら
何が始まるか不安と期待でドキドキしていた時、
先生がお香とアロマを持って現れた。
「今日はあなたに寝てもらうわ」
そう言うと先生は
そっと手を合わせ深い祈りが始まった。
時間にして1分ぐらいだったが周りの時間が止まったかのように感じる時間だった。
先生は
「あなたから去っていった会社の方々を許すことが出来ましたか」
と言って
施術が始まった。
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