続バーンハナの軌跡20

【サプライズ】
皆が集まってくれたパーティ。
今まで知り合った方々が次々に話しかけてくれた。
私は覚えたてのタイ語とへんな英語で話す。
相手は英語とタイ語とボディランゲージ~
伝わったかどうか怪しいものだが、顔の表情で不思議と伝わっている様に感じた。
皆陽気だなぁ~
次から次と話に夢中になり、お気に入りの料理が出て来ても食べれない状態。。。
嬉しい限りだったが、腹が減った~
タイ料理は料理が皿に載せられて、それをシェアして食べる。
苦手な料理も沢山あったが、好きな料理も沢山あった。
あれを取って食べたいなぁ~
と思った矢先、ふと自分の席の前を見ると、好物の料理が皿に盛られてる‼
いや~
これは有り難い。
誰か気のきいた人が私の好きな料理をチョイスしてくれたのか。
と思ったが、誰も私の好きな料理を知らないはずだし。
と不思議に感じた。
その不思議は料理だけでなく、飲み物も私の好みが置いてある。
まるで常連の店の大将がそこに居てるかの振る舞いに感動した。
不思議だなぁと思ったとき、目の前に立っているウエイトレスの女性の姿が目に飛び込んできた。
彼女をよく見てみると、一人ひとりのお客さんの目線を追いかけているようだった。
その時だった、彼女が動くとせっせと料理を取り分けて、彼女の目線のお客さんに料理を持っていった。
そうか。
彼女はお客さんの目線を見て欲しいと思う料理を持っていってるんだ‼
あまりの細やかさに感動した。
凄いホスピタリティだなぁ~
料理も満足し、皆に惜しまれて感無量のままパーティは終わった。

【最後のタイマッサージ】
パーティも終わり、そろそろ空港に行こうと準備を始めたとき、Tさんが
「まだ飛行機まで時間が有るので、マッサージ受けていきませんか」
と、言ってくれた。
最後のタイだもんなぁ。
受けていこう。
そう思い、スパ施設のマッサージを受けることにした。
マッサージルームに行くと何時もしてくれるマッサージ師の人が笑顔で応対してくれた。
「こちらにどうぞ」

通された部屋で寝転んで待っていると、マッサージ師がやって来た。
さぁ、タイで受ける最後のタイマッサージ。
堪能しよう。
そう思い、始まるのを待った。が、待つこと3分以上は経っただろう。
なかなか始まらないマッサージに気になって顔を起こして見ると
足元で両手を合わせて合掌していた。
え、なに、何をしてるの!
不思議に思い聞いてみると、彼女は
「貴方の疲れがとれて、貴方が幸せになる様に祈っている」と言ってマッサージが始まった。
それを聞いて不思議に思ったが、
マッサージが進むに連れて、あの切ない気持ちと懐かしさが一気に込み上げてきた。
‼この気持ちだ‼
今まで感じたこの気持ち。それこそがタイのマッサージにあったんだ。
全ての謎が溶けていくように感じた。
相手を無償で思いやる気持ち。
Kパンで味わったこの思い。
相手の幸せを祈るこのタイマッサージが、その気持ちにさせてくれていたのだ。
最後の最後に気付かせてもらえた。
マッサージが終わると、私はTさんにここでマッサージを通してこの気持ちを体験できる
スクールが出来るか相談していた。
~続く~