続バーンハナの軌跡⑨

【問題発生】
関西支社の支社長になれなかった事をNさんに話したとき、彼は顔を真っ赤にして静かに話し出した。
「話が違う。またや」
またやの言葉に引っ掛かったが、自分の経験が浅すぎて無理だったこと。が、納得せざるを得ない一番
の理由だった。しかし出された条件は余裕でクリアしたから、確かに悔しい気持ちはあった。
そう話すと、Nさんは話を切り出した。
「あの会社は何時もそういう対応をする。言っていた条件をクリアしても約束守ってもらったこと
ないねんで。鵜川君が心配や」
そう言い残すと受付に来たお客さんの所に消えていった。
研修制度の充実とスタッフの遣り甲斐のある職場。
環境を作ることが出来たならば問題ない。
実績は積めた。後は本社に意見を沢山言って叶えていこう。
そう心に誓い拡大を続けていった。
毎月の会議では内容の充実を常に訴え続ける日々が続いた。
関西支社長に研修制度の充実の話を役員会でしてもらうように資料を添えてお願いした。
それから半年が経ったが状況は一向に変わらなかった。
それどころか、条件と環境は益々酷くなって行くのを感じていた。
私の管轄のスタッフは挙って不平不満を言い出した。
それも当然、私が約束した内容は現実にはならず、売上とは反比例していく条件悪化に皆の私に対する
不満が募っていくのを感じた。
このままでは崩壊していく。。。
そう感じた私は直接社長に直談判することにした。
その月の会議後、管轄役員が社長の代わりに話を聞くといって時間をくれた。
私の条件を一通り話すと役員は研修制度を充実するには後、売上が○○○○万円必要だと
社長から言われた。と言った。
歯切れの悪い内容に不安を感じながら本社を後に家路に着いた。
【更に拡大】
次の日から役員の言葉を信じて拡大の動きを強めていった。
スタッフの皆にはもう一度説得をした。
皆、何とかわかってくれた。
1日でも早い実現をするために全力を尽くした。
それから2ヶ月後に売上の目処が経ったが、環境は変わることはなかった。
もう実現出来ない約束に、私の心は独立へとシフトチェンジして行った。
~続く~