続バーンハナの軌跡⑤

『バーンハナ宝塚店』
【役職】
スタッフが安心して働ける為の研修制度を作りたい。と言ったNさんとの思いを形にするために
そして、この仕事を皆が誇りを持って働いてもらう為には先ずはこの会社で存在感を出し
力ある立場になること。役職に付くことが急務だった。
私の家が京都だった為、土地勘のある京都エリアの拡大に動き出した。
現状の京都エリアの得意先はサウナの足裏マッサージの3店舗だったため、
当面の目標は10店舗にすることだった。
当時は今のようなスーパー銭湯が殆ど無かったため、サウナや健康ランドが主流の営業先だった。
しかしどのサウナもマッサージは直接運営されていたので、我々はマッサージの補足となる垢擦りや、
足裏マッサージの部分が主な契約先だった。
マッサージはサウナの看板メニューで月の売上は2000万円、多いところでは6000万円と売上の柱だったため
なかなか委託で任してくれる店は無かったのが現状だった。
H所長に営業のやり方や資料などがあるか訪ねたが
「自分で考えて」と言われ一蹴されてしまった。
管理で手が回らない状態だったのでそれも仕方ないかぁ~
とりあえず管理の合間に書店に寄って温泉特集の雑誌を大量に買い漁った。
京都、滋賀の温泉場をリストアップし片っ端から電話をした。
「もしもし、そこでマッサージをしたいのですが話を聞いてもらえませんか?」
と言った内容の薄い営業だったが、何件に1件かアポイントが取れて直ぐに飛んで行って
施設の担当者と話をした。
わからないことばかり質問されては宿題にさせて欲しいと持ち帰って、本で調べて回答すると言った
ことを繰り返した。そんな中、興味を持ってくれる施設がどんどん増えていった。
【契約】
いくつか営業で通っている施設の中で、一番に契約が決まったのは京都の桂にopenする施設だった。
契約の決め手はKパンの話をしたのが切っ掛けで、マッサージに興味を持ったからだと担当者の方が
教えてくれた。
その日以来、営業先でKパンの話をするようになった。
みんな興味深く聞いてくれたのが有り難かった。
新しいチャレンジでもKパンに助けてもらったなぁ~と思うと、Kパンの皆の顔が浮かんできた。
Kパンの皆はどうしてるかなぁ。
元気でいてるかなぁ~
先ずはこの仕事を成功させて、その暁にはパンでも買いに皆の顔を見に行こう。
そしてNさんやスタッフの思いを形にして、人を感動させれるこの仕事、絶対に成功させたい。
と、言った思いが再度沸き上がってきた。
いよいよ初めてオープンが決まった桂のお店。
そこは足裏マッサージだけではなく、主流のマッサージが含まれる今までにない大規模の内容となった。
右も左もわからないことばかりではあったが、絶対成功しよう。
そう心に誓った。
~続く~