バーンハナの軌跡 ~長らくのお付き合い有り難うございました~ 最終回
【就職先】
Kパンを退職し4ヶ月が経っていた。
私の価値観は以前と違い、いかに楽しく働けるかが重要になっていた。
収入、地位、名誉といったものは必要としなかった。
働くことは=皆が協力し達成できる喜びを共に分かち合えることだった。
就職先の希望は全てそれが基準だった。
初めに就職先に選んだのが、早朝配達のある製麺会社だった。
選んだ理由がKパンと同じ勤務時間帯だったからだ。
しかし、そこで働く従業員は皆、仕事の不平不満を言い合う集団だった。
皆、五体満足であるにも関わらず。。。
就職して3ヶ月でその会社は倒産した。
そこから数社を転職をした。
その先々は全て不満を抱きながら文句を言い合って慰めあってた集団ばかりだった。
【希望】
なかなか上手く行かない就職の焦りと疲れで頭が一杯になった。
そんな時は決まってスーパー銭湯で癒すのがKパン時代の習慣だったが、京都にはスーパー銭湯が無かった
ため、サウナにいくことにした。
風呂とサウナで汗を洗い流してリクライニングシートに座った。
そしてT君やK君、仲間の思い出に耽っていた。
すると、
「痛い痛い~やめてくれ~」
と、遠くの方から奇声のような声が聞こえてきた。
その声に近づいて行くと、そこは低い壁で仕切られたマッサージルームだった。
覗き込んで見てみると、足裏マッサージをされていた人が楽しそうに痛がっている。
マッサージ師も微笑みながら施術をしていた。
その時、ふと皆にスーパー銭湯で振る舞ったマッサージのことを思い出した。
『これだ‼ この仕事だ‼』
頭に衝撃が走った。
あの笑顔で皆を癒せて、癒された方も素敵な気分になれる。
互いが感謝できるこの仕事がしたいと思った。
あの光景は、関わる全ての人が幸せになったように思えたからだ。
【ユビックスを立ち上げた理由】
皆が幸せになれる仕事がしたいからだった。
関わる人全てを巻き込んで、幸せを分かち合える仲間を創りたい。
あのKパンが教えてくれた、他者を無償で支援できる関係性が幸せを与えることになり、
感謝で感謝を生みだし、それが大きな連鎖反応となり奇跡を起こす。
その素晴らしさを分かち合うことが目的だった。
これが原点。
仕事をしていくうえで、人生を生きていくなかで、沢山の嫌なこと、理不尽なこと、許せないことが
多々あることだと思う。
しかしこれは全て自分の心が解決法を知っている。
それは体験することによって明確になることでしょう。
環境や他者のせいにしているだけでは決して解決できないことを身を持って体験させて頂いたからこそ
伝えたいこと。
それは
不安を自分自身の成長のエネルギーに。
不平は気付きを与えてくれる材料に。
不満は成長させてくれる栄養材に。
全ての矢印を他者に向けるのではなく、自分の成長に矢印を向けることで
未来は大きく変わると思う。
感謝の心、親切心はどれだけ出しても減るものではない。
減ると思った時は相手に見返りを求めてるからである。
無償の支援こそが奇跡を起こす。
~長きに渡りお付き合い頂いた皆様。有り難うございました。次の機会には
有り難うございました。