バーンハナの軌跡⑦
【本当の恐怖とわ】
いつか山口先生や、私を馬鹿にしてきた連中を見返すために、金儲けと権力を身に付けようと全力で走って来たが、死の恐怖か
ら親父との縁を切ることに成功した私はこれからは以前の関係者とはかかわらず、全力で金儲けをしようと心に決めていた。
立ち上げた会社には私を含めた5人の仲間がいた。
皆、私の羽振りのよさを聞き付けて集まってきた連中だった。
以前の関係者の縁が切れてからは大学にも行かずただひたすら会社に通い儲け話をまとめる日々が続いた。
儲け話も順調に進み、以前よりも、もっと大きくなれると期待と欲望で武者震いしていた。
【思いがけぬ訪問者】
全てが順調だと思っていたある日、会社に一人の男が訪ねてきた。
彼は以前に付き合いのあった関係者のメンバーだった。
私の顔を見るなり笑顔で近づいてきた。
「久し振りにだね。ウッチャン。景気良いみたいね~」と
不気味な笑顔で手提げポーチから4枚の借用書を私の前に出して言った。
「これ返してくれる。今日が期限だで」
といきなりドスを効かせて言ってきた。
「こんな金を借りた覚えはないで」
と思わず言った。
手に取った借用書には4人のメンバーの名前でそれぞれ5000万円の
借入金。しかも保証人の欄には私の名前と印鑑が捺されていた。。。
男は「ウッチャンはめられたね」
と、にやけた顔で言い寄ってきた。
私は裏切られた怒りで身体は震え持っていた煙草を床に叩き付けた。。。
~続きます~