バーンハナの軌跡②

【憧れは現実に】 

毎晩飲みに行くのが日課になって半年が経ったある日、対立組織と鉢合わせになった。 
身体を張って親父を守った功績から次の日から周りの扱いが変わっていた。
まだ大学生だったにもかかわらず任せられたのは重要なポジション。
 
如何にも恐持ての男たちが年下の自分に敬語を話す奇妙な関係が生まれた。 

【有頂天】 

周りからちやほやされることに初めは恥ずかしさがあったが、いつの間にかそれが当たり前だと感じるようになっていった。

無茶な注文をしても叶えられる状態に感覚は麻痺し、少しでも歯向かう奴は張り手で納める。 
もはや地位も名誉も全て手に入れた様に感じ始めていた。 

【絶体絶命】 

毎晩果てしなく続くと思えたこの環境にある日忘れられない事件が起きた。 

それは対立組織との抗争だった。何時もなら大きな怪我人が出る訳でもなかったが、
今回は数人の正気を失った男が凶器を持って乱入
し、あっという間に飲食店は悲鳴と血し吹きでパニック状態に、
私は足がすくみ一歩も動けない状態だった。血の気は引き、死を覚悟
したとき運良男たちは去っていった。
続く~