バーンハナの軌跡①

今から25年前、私は借金返済のため愛知県のパン工場で就職し配送業務をして
会社の寮で生活をしていました。 

思い返せば学生時代から反社会的組織と言われるメンバーと手を組みそして

月に何億もの金を集める優雅な生活に憧れを抱き、それは次第にエスカレートするばかりだった。 

「金さえあれば何でも手にはいる。」 

その思いに突き動かされ、がむしゃらに進み、気付けば月収は1億円となっていた。 

しかし、それとは逆に人情は影を潜め、信じれるものは金だけだった。
それと金で雇ったボディーガード。 

【馬鹿な目標】 

そんな生活が半年続いた頃、

人として大切なものは如何に金を儲けて、権力を身につけるかがテーマとなっていた。
そして行く先々で虚勢を張り、相手を威嚇し、恐怖で支配することに、
何ら疑うことなく当たり前だと思っていた。
自分より金のない人間を弱者として横柄に扱った。
金さえあればどんな人間も従うし、そこに権力が備われば無敵になれる。
それが当面の目指すべき目標となっていた。 

ある日、親父と慕う人から夜の誘いがあった。 

親父はこの生活のノウハウを一から教えてくれた、唯一慕うことができた人だった。 
その夜を皮切りに、気に入ってもらったのか数人のボディーガードと共に繁華街で遊ぶのが日課になった。 
繁華街のど真ん中で車を止める。降りると目付きの悪い人間が目も合わさず深々と頭を下げる。 
行く先々で起きる光景は私の心を踊らせ、何時かこんな人になりたいと大きな目標となっていった。 
続く~