続バーンハナの軌跡16
【アジア】
台湾での足裏マッサージの学校に飛び込みで見学に言った。
通訳の方と同行したが、台湾は足裏マッサージで病気を治すとされていた。
病院にも足裏マッサージのブースが幾つか点在している。
足裏がパンパンに腫れるまで棒で刺激するらしい。
身体の悪い箇所を足裏の反射区と言われる部分を押すと、飛び上がるぐらい痛く
痛みが無くなるまで棒で刺激する。その間腫れてくるが、水で冷やしてまた刺激する。
痛みが無くなったら完治。
それが台湾の足裏マッサージだった。
知れば知るほど興味が湧いてきたが、なかなかこれと言ったものが見つからず帰国した。
その後、台湾を皮切りに、インド、中国、韓国、と渡り歩いたが同じく見つからず半年が経っていた。
【問題勃発】
日本では、未だにプライドや遣り甲斐を持てないと言ったスタッフの退職が後を絶たなくなっていた。
それどころか、安定していた収入は周りに競合の温浴施設が出来たことでお客さんも激減し
スタッフの収入も全盛期の半分になっていた。
スタッフのモチベーションは下がり、やがて怒りの矛先が私へと変わっていった。
「もうやってられへん!」
「いつになったら良い環境になるんや!」
「お客さんをもっと集めてくれ!」
などの苦情が殺到した。
中には、
「会社はなにもしてくれへん!もっとお客さんが喜ぶ技術教えろ!俺らは何もしてもらってへんやんけ」
と言われた。
正直ショックだった。。。
この状態は以前の会社で出た問題と同じではないか。。。。いや
むしろ酷くなっているとさえ感じた。
何のために新しい会社を作ったのか。。。
自問自答する日々が続いた。
お客さんに喜ばれ、感謝されて遣り甲斐を持ったスタッフの顔を見る為にこの仕事を選んだと言うのに。。
あのKパンの時に感じた充実感をもう一度味わいたいとやって来たのに。
資格もとらせてあげられない。
遣り甲斐も見いだせてやれない。
あの感動をなんとか味合わせてやれないものかと悩みだし、八方塞がりになりだした時、
桂の温泉の社長に呼び出された。
翌日社長に会いに行った。
「鵜川君ちょっとええか!」
はい
「最近、売上落ちてるやろ。なんか打開策はないかと考えたんやけど、タイのマッサージがええらしい。
一回タイに行ってマッサージ師連れてこれへんやろか?」
と言った。
実際八方塞がりだったこともあり、有り難い意見だと思った。
「前向きに考えてみます」
と言うと、社長は
「そうか~。それなら知り合いいるから紹介するし、一回会ってみ」
と言ってくれた。
その後、話はトントン拍子で進み、2週間後タイで紹介者の方と落ち合うことになった。
タイに何が有るだろう。
タイのマッサージ師を連れて来れるのだろうか?
期待と不安でタイに行くまでの日々を過ごした。
~続く~