バーンハナの軌跡⑧

【考えられない金利】 

彼が来て以来 

「ウッチャンはめられたね」の 

にやけた顔が頭から離れない。 

あれから勝手に借金をした4人は一切の消息がつかめないまま行方不明となっていった。 

1人が5000万円。 

4人で2億円 

そして何といっても金利が着いて6億6000万円と考えられない金額になっていた。 

男の「払えないとどうなるかわかるよね。。。」の言葉の意味は裏社会では終わりの意味を告げる。 

その意味が嫌なほどわかっていた私は必死で金をかき集めた。 

返済期限は1週間後。 

全ての資材を投げ売り絞り出したが、残り2000万円が届かなかった。 

銀行にも掛け合ったが、社会的信用にない私には耳すらも傾けてくれなかった。 

預金をしていた時にはあれほど低姿勢だった銀行マンもこの事態を察してからは

アポさえ取り次いでもらえなかった。 

【最終決断】 

これまで得意先には恩を売っても借りは作らない主義を貫いてき
た。 


そのお陰で事業拡大をしてきた。 

しかし今度ばかりは致し方無くこのスタイルを変えることとなる。 

勇気を振り絞って一番恩を売って来た社長に電話をした。
 
電話に出た社長は呆気ない言葉で

「うちは無理だ」

とすぐに電話を切った。 

何度もお願いしたが最後は居留守を使われた。 

それからは恩を売った順番に電話をすることしたが、

私のあまい期待は無惨にも散ってしまうことになった。

~続きます~